全国の社寺の数は約158,000棟あり、この数は巷でよく見かけるコンビニの数である56,000店と比べても相当に多いという事が理解できます。
社寺とは神社と寺院の事を指しますが、これらの建築物のほとんどが現在の建築基準法に基づいて建てられたものではありません。
歴史的建築物である社寺建築には
多くの建築様式があり、それぞれの歴史や地域に合った様式が使われています。また、先人の棟梁達の知恵や工夫が多く取り入れられており、地震や湿気の多い日本に
馴染みやすいものでもあります。
その構造は地震の際に大きく揺れて地震力を吸収し元に戻る復元力を持った、いわゆる「柔構造」です。「柔構造」の社寺建築物の
耐震性を評価する方法として用いられるのが「社寺建築動的伝統耐震診断」です。常時微動を用いて実際の建物の振動を計測し、その建物の振動特性値を求める事によって
耐震性能を評価する方法です。無理な力を加えないので建物を傷める事もなく、安心して受診頂く事が可能です。
法に替わる安全性を限りなく評価し、見える化する事で
安全と安心を確保し、日本の歴史的文化である社寺建築を次世代へ残していきます。
大五郎建設には専門の資格を持った大工が複数在籍しています。
動的耐震診断の結果、建物の耐震性能に問題があった場合には、合理的かつ適切に耐震改修方策を設計し、診断結果内にて報告・提出致します。
結果をご覧頂き、ご依頼、ご相談を頂ければ設計に基づいた耐震補強工事の実施等を実施致します。その場合は改修後に再度動的耐震診断を行い、改善の効果を数値的に確認する事ができます。
また診断結果は改築や修理をする際の檀家様や氏子様への報告・検証材料ともなり、計画の為の資料としてご活用頂けます。
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大五郎建設はこの度、南房総市S寺様の依頼を受け、日本に5人しかいない(2019.4現在)社寺建築動的伝統耐震診断士による社寺専門の耐震診断を行いました。対象物件は築260年の本堂と築230年の薬師堂です。
PC画面で振動波形が安定している事を確認してから収録、波形のスペクトル解析を行う。解析から建物の振動特性値、すなわち建物の固有振動数f0(Hz)、 (これは固有周期T秒の逆数)、最大振幅応答倍率R、及び共振性能係数Q値が得られる。
本建物は、建物全体としては伝統工法の性質を示している。短辺方向(南北)の動的耐震性能評価指数C値は平均が169.9。長辺方向(東西)も平均のC値が155.6で、 両方向とも相当に危険と判断される。下記を参考に適切な補強対策と維持管理を行っていく必要がある。