2019年に行った耐震診断の結果を踏まえ、2025年、約230年ぶりに薬師堂の建て替え工事を行いました。そして改めて新築の耐震診断を行い、その性能に問題がない事を確認しました。現在の進捗は完成間近となっております。
2019年4月に社寺建築動的伝統耐震診断士による社寺専門の耐震診断を行いました。対象物件は築約230年の薬師堂です。
- 薬師堂
- 診断日時/2019年3月
- 築年数/230年
- 建物構造/伝統木造軸組・平屋
- 基礎構造/礎石束建て基礎
- 外壁仕上/板張り
- 内壁仕上/板張り
- 屋根仕上/日本瓦葺き
- 増築履歴/無し
- 改築履歴/無し
- 診断の結果、構造的に相当危険と判断される。構造材の劣化が進んでいる事と建物の重量に対して壁量が不足していると思われる。梁の下がった部分は要注意である。
上からの荷重を支える為の補強を検討する必要がある。対策としては劣化部分の交換と、短辺・長辺共壁量を増やす必要がある。伝統工法である柔構造の復元力を補う為、
古民家耐震パネル型面格子壁や、制震ダンパーを使用した補強計画をお勧めする。
- 松くい虫や白蟻被害部分は補強若しくは交換の必要がある。また日常から床下の通気を妨げないよう、基礎周りに荷物を置かないようにし、定期的に白蟻やカビの
発生の有無をチェックする必要がある。
社寺建築動的伝統耐震診断について、詳しくは耐震診断のページをご確認ください。
築230年の薬師堂の耐震診断