遮熱シート「アプリ」は、当初NASA(米航空宇宙局)の宇宙開発技術から生まれたもので、宇宙船や宇宙服の反射絶縁材料として開発されたものを、建築用遮熱材料として改良を重ねた商品です。宇宙空間では、より反射率の高い金箔(反射率98%)が主に使用されています。 遮熱シート「アプリ」は、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維とPP(ポリプロピレン)繊維を一定量で混ぜ合わせ、ポリエチレンフォームと接着し、その両面を高反射薄膜アルミ箔で被覆したもので、基本的には被覆された両面の薄膜アルミ箔が、輻遮熱の97%を反射・遮熱する事で、建築用遮熱材としての性能を発揮します。 PET繊維とPP繊維+ポリエチレンフォームとする事で、断熱性や引っ張り・圧縮などの強度も増す事となりました。併せて、釘やビスによる貫通の際に懸念される、両面のアルミ箔同士の接触による熱の流入や結露が避けられ、外部と内部の熱の混在を防止出来ることで、遮熱シートとしての性能を充分に発揮出来ます。 屋外の熱は、屋外に反射し建物内への熱の影響を軽減し、室内側の熱も室内側に反射する事で、保温性が高まり、室内環境を快適にします。
日本の住宅の数値上での快適さを測る基準は、断熱材による施工内容によって決まるといっても良いでしょう。一番良く使われている断熱材であるグラスウールは、その原料の85%以上が板ガラスやビンを粉砕したカレットと 呼ばれるもので、その中に組成調整用の原料を加え、再溶融・繊維化し、バインダーと呼ばれる繊維結合剤を加え、高熱で溶かして水あめ状になったものを、わた菓子のように小さな穴のあいた容器に入れ高速回転させ、綿状にしたものです。 細い繊維をなるべく絡め合うようにすると、繊維と繊維の間が小さくなり、その間に入った空気を繊維で閉じ込め、動きにくくする事で、熱の伝導と対流を防止します。しかし、この施行だと断熱材が昼間の太陽エネルギーをたくさん吸収し、 溜め込んだ熱を室内側に放射し、建物全体が暖められてしまい、壁や天井などの表面温度が上がり、その表面温度が上がった壁・天井などからの輻射熱が室内空間に放熱されることになってしまいます。主に熱帯夜の原因はこの断熱材による、 放出され続ける熱が原因となっており、建物全体で溜め込んだ熱はなかなか冷えず、エアコンをかけても表面温度が高くなった天井や壁の熱を冷やす事に大変で、室内の空気を冷やすまでには相当の時間とエネルギーを消費する事になります。 断熱材は、熱を断っているように多くの方は思われてるようですが、実際は、断熱材自体が、熱を吸収して、その効果を出しています。グラスウールなどは短時間では有効な断熱材ですが、長時間では、逆効果となる事もあるわけです。 「アプリ」は熱を蓄熱せず反射させ、空気をつねに動かす事のできる、現在主流になりつつある技術です。
結露は、温度差と水蒸気量の2つの条件が一定水準を超え、飽和水蒸気量に達すると必ず発生します。充填断熱工法は構造材の間にしか断熱材を充填できない為、壁の中では必ず温度差が生じます。そこに室内からの水蒸気を持った空気が入り込み、 壁の中の冷たい面にぶつかると結露が発生します。
例えば温度差のある壁の中に布団をずっと入れているようなもので、水蒸気が侵入すれば当然カビてきます。するとダニの発生源ともなり、気管支炎や喘息などの原因となってしまいます。快適に暮らせるはずの住宅に住んだ事が原因で、 健康が脅かされる事になります。
外断熱材の外側と内側に通気層を持ち、それぞれが独立して外壁内部の空気を流す、工夫された工法です。外側の通気層は、結露による湿気を放散し、空気の流れが日射による熱気も篭らせません。 内側の通気層は、床下から屋根裏までつながっており、常に空気を循環させて室内の温度変化を押さえる役割をします。内側の通気層は、外から伝わる屋外の熱を動かし外へ逃がすことで特に夏に効果を発揮します。 冬にも空気の循環の経路として使われ、暖かな空気を常に家中に循環させる事ができます。今までの繊維系断熱材は断熱材そのものに熱が篭り、空気を動かすことができませんでした。当社は「アプリ」を併用する事により、 この問題をクリア、高気密でありながら遮断、遮熱効果も同時に行え、通気層を作ることにより空気を操る、優れた工法といえます。